雇用形態で金額はどう変わる?ホームヘルパーの給料について

ホームヘルパー,給料
  • 「介護の仕事に興味はあるけれど、給料は低いと聞くから不安」
  • 「訪問介護では正社員雇用やパート勤務などの様々な雇用体系があるが、どの働き方が一番いいの?」

もしこんな疑問をお持ちでしたら、この記事はきっとお力になれます。

ホームヘルパー(訪問介護員)のお仕事は、利用者の家を訪問して援助することであり、介護の現場を最前線で支えるとても重要な役割を担っています。

この記事では

  • 雇用形態で比較したホームヘルパーの給料
  • 入居施設と比較したホームヘルパーの給料

をメインに解説していきます。

1.ホームヘルパー(訪問介護員)の給料を徹底解説

ホームヘルパーの働き方には大きく分けて

  • 正社員で働く場合
  • 非正社員(パートや派遣社員)で働く場合

の2つがあります。

実は、厚生労働省の調査から『訪問介護員の8割近くが非正社員として雇用されている』という事実が明らかになっています。

つまりホームヘルパーのお仕事は、正社員での雇用よりもパートや派遣社員などの非正社員での雇用が多いということです。

出典:厚生労働省「介護労働の現状より」

そこでこの章ではホームヘルパーの

  • 正社員で働く場合の給料
  • 非正社員(パートや派遣社員)で働く場合の給料

を詳しく解説をしました。

比較項目正社員パートタイム
平均賃金291,930円/月1,540円/時間
残業代有り基本的に無い
昇給有り会社によるが有り
早朝夜間帯の加算無し有り
年末年始やお盆の加算無し有り
交通費有り基本的に無し
賞与会社によるが有り正社員より少ない

1-1.正社員としてのホームヘルパーの給料

月給の者平均賃金(円/月)
介護職全体300,970
ホームヘルパー(訪問介護員)291,930

参考:平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果

平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果』によると、正社員として働く場合の訪問介護員(ホームヘルパー)の平均給与額(月給)は291,930円であることが分かります。

年収に換算すると約350万円(291,930円×12ヶ月)です。

訪問介護員も含めた介護職全体の平均給料(月給)は300,970円であるため、訪問介護員の平均給料(月給)291,930万円は介護職全体よりも約9千円低いことが分かります

1-2.非正社員としてのホームヘルパーの給料

先ほども紹介したように、ホームヘルパーの仕事をしている約8割の方は非正社員(パート・アルバイト・派遣社員)として勤務をしています。

(人/%)全体月給の者日給の者時間給の者
訪問介護員11,224人(100%)2,458人(22%)225人(2%)8,541人(76%)
介護職員(施設)30,551人(100%)19,188人(63%)698人(2%)10,665人(35%)

参考:平成29年度「介護労働実態調査」|公益財団法人|介護労働安定センター

上記の表は、訪問介護員や介護職員が『月給・日給・時間給のうちどの給与体系に属しているか』をまとめた表になります。

この表からは『訪問介護員(非正規雇用)として働く人の約7割以上が時給制で働いている』ことが分かります。

実際に訪問介護員(非正規雇用)のお仕事を管理する事業所は

  • 固定給ではなく『サービス1件あたり〇〇円』と定めている
  • 時給制を採用している

場合がほとんどです。

そこで訪問介護員(非正規雇用)の平均時給を詳しくみてみましょう。

平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果』を参考にした

  • ホームヘルパーの平均時給
  • 介護職全体の平均時給

は以下の通りです。

時間給の者平均賃金(円/時間)
介護職全体1,332
訪問介護員1,540

参考:平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果

訪問介護員(非正規雇用)の平均時給は、1,540円/時間で介護職全体(非正規雇用)と比べて210円ほど高いことがわかります。

またこの表からは直接読み取ることができませんが、実は訪問介護員(ホームヘルパー)の平均時給は仕事内容によっても変わります。

ホームヘルパーの仕事内容は

  • 排泄介助や入浴介助などの利用者の体に触れる身体介護
  • 掃除や洗濯などのいわゆる『家事』を行う生活援助

が主なので、仕事内容で平均時給が変わるとは例えば

  • 身体介護1時間:1,500円
  • 生活援助1時間:1,200円

のような具合です。

つまり同じ訪問介護員でも仕事内容・提供するサービス内容によって時給は変化するということです。

次に日給について解説します。

訪問介護員(非正規雇用)の日給は人によって様々です。

なぜなら訪問する利用者さんの数を増やすほど、その分稼働時間も増えるため、日給が上がるからです。

『ホームヘルパーが1日に訪問する件数』は人によって大きく違いますが、多い方だと『1日に8件』もこなしています。

ここでは具体的に次のように定めている事業所を例にして、簡単に日給を計算してみましょう。

  • 身体介護:時給1,500円
  • 生活援助:時給1,200円

毎週月曜日の14:00~16:00に利用者さんにお宅に出向き、それぞれ1時間ずつ入浴解除(身体介護)と掃除(生活援助)をしているとします。

この場合あなたの日給は、身体介護1時間の1,500円と生活援助1時間の1,200円の合計2,700円になります。

なぜ身体介護のほうが生活援助よりも時給が高いの?

これはあらかじめ国が定めた介護報酬によって、身体介護のほうが生活援助よりも報酬が高く設定されているからです。(参考:介護報酬 |厚生労働省

身体介護・生活援助の介護報酬は次のように設定されています。

単位数地域区分単価介護報酬
身体介護(1時間)39411.4円4,492円
生活援助(1時間)22311.4円2,542円

出典:「介護保険事務処理システム変更に係る参考資料」(WAM NET)

1-3.ホームヘルパーの各種手当

この章では『ホームヘルパーの残業代・昇給・交通費』などの各種手当について詳しく解説していきます。

正社員・パートタイムそれぞれで比較して解説していきます。

※賃金体系は、会社によって異なってきます

では解説していきます。

①ホームヘルパーの残業代

正社員パートタイム
時間外部分については支給される残業という考え方があてはまらない

正社員雇用の場合、決められた時間を過ぎて仕事をした際には、時間外手当として残業代を支給してくれる会社がほとんどです。

例えば『9:00〜18:00』という勤務時間が決められている事業所では、18:00を超えて仕事をした場合には残業代が支払われます。

ここで1点注意が必要なのですが、『固定残業代』という仕組みを導入している事業所があることです。

固定残業代とは、あらかじめ決まった時間が残業代として一律で決まっていて、その時間を超えた分のみ、別途残業代を支給するという仕組みです。

例えば『固定残業代が30時間』と決まっている場合、極端な話『残業が月に0時間でも30時間でも残業代が1円も変わらない』という状況が起こり得ます。30時間の範囲内であれば残業代は一定額だからです。

正社員として会社を探す際には『残業代についてどのような仕組みをとっているのか』をよく注意して確認することが大切です。

一方でパートタイムの場合は、サービスを行った時間に対して給料(時給制)が支払われるため、残業という考え方は当てはまりません。

パートタイムとして働き残業代が発生する事例を強いて挙げるとすれば、イレギュラーな要素が重なってサービス時間が延長した場合です。

例えば週に1回、掃除のサービスを利用している方がいるとします。

普段は45分未満のサービスで掃除機がけや雑巾がけを行いますが、今回に限って利用者さんから『体調を崩してしまったため、普段は自分で行っている浴室掃除も行ってほしい』という要望があった場合などです。

この場合、普段の45分間のサービスよりも延長してお仕事をするので、残業代が支払われます。

以上をまとめると

  • 正社員:残業代は時間外の場合支払われる
  • パートタイム:時給制のため残業代という考え方自体が無い

となります。

②ホームヘルパーの昇給について

ホームヘルパーの昇給は『会社の評価制度によって大きく変わる』というのが正直なところです。

正社員パートタイム
評価による評価による

評価制度は事業所によってまちまちで、面談や実績をもとにキャリアパスの制度を整えている事業所もあれば、上司の評価のみで判断をしている事業所もあります。

そのため雇用される前に確認したいポイントです。

以前私が勤めていた事業所では

  • 正社員の場合:『月給をどのくらいアップされるか』
  • パートタイムの場合:『サービス1回あたりの報酬、そのパーセンテージをどれくらい上げるか』

のように昇給について考えられていました。

また会社の評価制度だけに寄らず、資格の取得によって給料を上げることもできます。

ホームヘルパーとしてキャリアアップを図る際には、介護福祉士の資格を取得することが多いです。

資格を取得して給料を上げることも検討してみてください。

③ホームヘルパーの早朝夜間帯の給料

ホームヘルパーのお仕事は、利用者さんの都合によって時間が変更になることも多いです。

そのためパートで働くとなった場合は、早朝・夜間などに出勤することも珍しくありません。

正社員で働く場合は、早朝・夜間帯に出勤しても特別に手当が支給されることはほとんどありません。通常通りの残業代が支給されます。

パートで働く場合は、以下の表のようにそれぞれの時間に応じて加算がついてきます。

時間18:00~21:5922:00~翌5:596:00~7:59
呼称夜間深夜早朝
加算25%50%25%

出典:「介護保険事務処理システム変更に係る参考資料」(WAM NET)

あなたがパートとしてホームヘルパーのお仕事をする場合は、18時〜22時の間に勤務をすると『通常の給料+25%』が支給されることになります。

④年末年始・お盆について

年末年始やお盆は人手不足になりやすいタイミングです。

そこで働き手を確保するため、普段より割増で給料を設定している会社もあります。

事業所にもよりますが、正規雇用でも非正規雇用でも割増額が反映される場合があります。

割増額については事業所によって様々です。

  • 通常の給料×25%で給料が支払われる会社
  • 出勤した日数に応じて1日1,000円が追加で支給される会社

などがあります。

私が勤務した訪問介護事業所では、『出勤時間1時間ごとに350円がプラスされる仕組み』を導入していました。

仕組みは事業所ごとに異なるため『年末年始・お盆などの休暇期間はどのような給料体制をとっているか』を事業所ごとに確認するようにしましょう。

⑤交通費について

訪問介護員は利用者さんの自宅に訪問してお仕事を行います。

その際にかかる交通費の支給額は事業所によって大きく変わります。

下記は、ある訪問介護事業所の交通費支給を比較した例になります。

正社員の交通費支給額

A社B社C社
事務所への通勤(電車等)月3万円を上限に支給全額支給全額支給
利用者宅から利用者宅への移動発生した場合は支給発生した場合は支給発生した場合は支給
サービス中に発生した移動(外出同行等)全額利用者負担全額利用者負担全額利用者負担

パートタイムの交通費支給額

A社B社C社
事務所への通勤(電車等)なしなしなし
利用者宅から利用者宅への移動なし(自転車移動が基本のため)なし(自転車移動が基本のため)月の労働時間に応じて支給
サービス中に発生した移動全額利用者負担全額利用者負担全額利用者負担

この表からわかるように交通費の支給額は

  • 交通費の使用状況
  • 正規雇用か非正規雇用
  • 事業所の定めた制度

などによって異なるため、事業所を選ぶ際にきちんと確認しておきましょう

⑥ホームヘルパーのボーナスについて

ホームヘルパーのボーナスは事業所によって大きく変わります。

ボーナスを支給している事業所もあれば、全くしていない事業所もあります。

正社員パートタイム
会社によってはあるある場合もあるが正社員より少ない

正社員の場合、『夏と冬に1回ずつ支給される』という形が一般的です。

以前私が勤めていた事業所では、正社員のホームヘルパーに対してボーナス(賞与)は夏・冬それぞれ一定額の8万円が支給されていました。

パートタイムの場合は、賞与とは別の時期に『臨時手当』という形でボーナスが支給されることもあります。

パートタイム勤務にも正社員並の臨時支給をする事業所もあるようですが、基本的には正社員よりもボーナス(賞与)は低くなると考えるべきでしょう。

2.入居施設と比べたホームヘルパー(訪問介護員)の給料

この章では

  • 特別養護老人ホームなどの施設型サービスで働く介護職員の給料
  • 利用者の自宅に通いお世話をするホームヘルパーの給料

のうち、どちらの方が給料が高いのかを比較していきます。

正社員で働く場合

月給の者訪問介護員介護職員(施設)
平均賃金(円/月)291,930300,970

参考:平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果

表からも分かるように、正社員で働く場合は『施設で働く介護職員の方が訪問介護員よりも平均給料が高い』ことがわかります。

訪問介護員よりも施設で働く職員の方が給料が高いのは、夜勤手当などが充実していることが要因だと考えられます。

パートタイムで働く場合

平均賃金訪問介護員介護職員(施設)
日給の者(円/日)9,79810,846
時間給の者(円/時間)1,5401,332

参考:平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果

パートタイムで働く場合の平均賃金は

  • 日給による比較:訪問介護員<施設で働く介護職員
  • 時間給による比較:訪問介護員>施設で働く介護職員

となっていることがわかります。

限られた時間で働くことを考えると、訪問介護員の方が高い賃金となる場合があることがわかります。

この事実が1-2でも述べた『ホームヘルパーの約8割がパート・アルバイトの非正規雇用』という結果に繋がっている可能性があります。

3.ホームヘルパー(訪問介護員)として働いた給料体験談

この章では『私が大学卒業後に東京の事業所で訪問介護員として勤務していたときの給料体験談』を紹介していきます。

生々しい数字になるのでぜひご参考ください。

私は大学を卒業してからの1年間、東京の事業所に正社員の訪問介護員として務めていました。

基本的な仕事はパートタイムのヘルパーと同じく、利用者宅を訪問してサービスを行うことでした。

その他の時間は、事務所でサービス提供責任者のサポートや事務仕事を行っていました。

入社時の月給は額面で18万円ほどでした。

入社1年目には冬のボーナスが支給され、その額は8万円ほどでした。

ボーナスを含めた年収は約224万円でした(※正社員ホームヘルパーの平均年収は約350万円)。

所得税や社会保険料は源泉徴収されるので手取り額はここから下がり、手取り額に換算すると約180万円でした。

ボーナスを月給の1ヶ月分や2ヶ月分、さらに多いところでは4ヶ月分支給しているという事業所もあったようで、当時『ボーナスの低さに驚いた』というのが正直な気持ちでした。

先輩に聞くと「出ないよりはいい」との返事を受け取りました。

4.ホームヘルパー(訪問介護員)の将来性

引用:在宅医療・介護の推進について

厚生労働省が発表した『在宅医療・介護の推進について』によると、国はこれから在宅介護をより推進しようとしています。

在宅介護が増加していくに連れて、ホームヘルパーの需要はますます増えてきます。そのためホームヘルパーの将来性は高いと言えます。

しかし給料については、国が定める介護報酬よって決まるため、簡単には上がることが期待できないことも事実です。

ホームヘルパーとして給料を上げるには新たに

  • 初任者研修
  • 実務者研修
  • 介護福祉士

といったホームヘルパーのキャリアップに繋がるような資格を取得したり

  • 給料が高くなる土日祝日や夜間早朝のサービスを多く引き受ける
  • サ責などの他の職種に転職を考える

をするなどして、自らが考え動くことが大切になってきます。

ホームヘルパーとして給料を上げるには

  • 介護福祉士などの資格を取得する
  • 土日祝日や夜間早朝のサービスを多く引き受ける
  • サ責などの他の職種に転職を考える

介護職全体の需要は高まりホームヘルパーの将来性はあると言えますが、自らが率先して行動をすることがますます大切になってきます。

5.まとめ

いかがだったでしょうか。

ホームヘルパーの給料をまとめた表は以下のとおりです。

比較項目正社員パートタイム
平均賃金291,930円/月1,540円/時間
残業代有り基本的に無し
昇給有り会社によるが有り
早朝夜間帯の加算無し有り
年末年始やお盆の加算無し有り
交通費有り基本的に無し
賞与会社によるが有り正社員より少ない

この記事が少しでもホームヘルパーの給料で悩んでいる方のためになれば幸いです。