ハローワークで初任者研修を取得する2つの制度と5つの注意点

「ハローワークで初任者研修を受講するにはどうすればいいの?」

あなたは今こんなことを考えていませんか?

結論から言うと、ハローワークで初任者研修を取得する際には次の2つの制度を利用することができます。

  • 求職者支援訓練
  • 公共職業支援訓練

この2つの違いは主に「対象者」で、雇用保険の受給資格の有無によって違ってきます。 

求職者支援訓練公共職業支援訓練
対象者雇用保険受給資格のない人雇用保険受給資格者(雇用保険に加入していて失業給付金を受けられる人
訓練実施主体・企業
・学校
・NPOなど
国や都道府県が運営する公共職業訓練校
または同校から委託された訓練機関
訓練費用基本的に無料基本的に無料だが、長期の訓練は有料のものもあり
就職率(令和元年度)・基礎コース:57.3%
・実践コース:61.4%
・施設内訓練:84.8%
・委託訓練:71.6%

ハローワークで初任者研修を取得すると、無料で資格を取得でき、かつお金(生活費)をもらいながら就職支援もしてもらえます。

ただ5点ほど注意すべき点があります。

  1. テキスト代は実費
  2. 定員があり、倍率が高い
  3. 選考試験がある
  4. 最短でも3ヶ月以上の時間がかかる
  5. 平日の月曜〜金曜までみっちり講義がある

この記事では「ハローワークで初任者研修を受講しよう」と考えている方に向けて、徹底的にその詳細を解説しました。この記事を読めば、ハローワークでの初任者研修の受講の仕方を理解することができます。

では解説していきます。

1.ハローワーク初任者研修を取得できる2つの制度

無料で資格の勉強をしながら、かつお金をもらい就職支援もしてもらえる、そんな魅力的な制度がハローワークで行っている2つの職業訓練です。

この章では、ハローワークで初任者研修を取得できる2つの制度を紹介します。

ハローワークで初任者研修を取得できる2つの制度

この2つの制度はいずれも職業訓練として初任者研修を受講できる制度で、条件を満たせば給付金を受け取りながら、無料で初任者研修を受講できます。

まずは求職者支援訓練と公共職業支援訓練の特徴を比較した表をご覧ください。

求職者支援訓練公共職業支援訓練
対象者雇用保険受給資格のない人雇用保険受給資格者(雇用保険に加入していて失業給付金を受けられる人)
訓練実施主体・企業
・学校
・NPO
など
国や都道府県が運営する公共職業訓練校
または同校から委託された訓練機関
訓練費用基本的に無料基本的に無料だが、長期の訓練は有料もある
就職率(令和元年度)・基礎コース:57.3%
・実践コース:61.4%
・施設内訓練:84.8%
・委託訓練:71.6%

この2つの制度の一番大きな違いは、対象者の違いです。

上図のように雇用保険の受給資格の有無によって

のどちらに該当するかが異なります。それぞれの特徴について紹介していきます。

1-1.求職者支援訓練

求職者支援訓練は、雇用保険の受給資格がない人が無料で職業訓練(初任者研修)を受け、早期の就職を目指す制度のことです。

求職者支援訓練の対象になるのは、雇用保険の受給資格がない方です。具体的に「雇用保険の受給資格がない」とは次のような方です。

雇用保険の受給資格がない(例)

  • 自営業で失業した人
  • 専業の主婦・主夫でこれから働く人
  • ニート
  • 生活保護受給者
  • 学校卒業後、まだ働いたことがない人
  • 雇用保険給付が終了した人

求職者支援訓練では条件に該当する人は、『職業訓練受講給付金』という給付を受けることができます。具体的には、1ヶ月に10万円の給付金と受講のために必要な交通費が支給されます。

給付金を受けながら訓練ができるので、一時的に生活費の心配がなくなります。

ただしこの職業訓練受講給付金には条件があります。次の条件を全て満たすことが給付の条件です。

職業訓練受講給付金の給付条件

給付金支給単位期間について

  1. 収入が8万円以下
  2. 世帯(※)の収入が25万円以下
  3. 世帯の金融資産が300万円以下
  4. 現に居住する土地・建物以外に土地・建物を所有していない
  5. 訓練の全ての実施日に訓練を受講している(やむを得ない理由により受講しなかった実施日がある場合にあっては8割以上)
  6. 世帯の中で他に当該給付金を受給し、訓練を受講している者がいない
  7. 過去3年以内に失業等給付等の不正受給をしていない

※世帯=同居の又は生計を一にする別居の配偶者、子及び父母 

求職者支援訓練の受講生は給付金をもらいながら訓練を受けるだけでなく、ハローワークによる就職支援を受けることもできます。実践コース受講生の就職率は61.4%となっています(令和元年度)。


『求職者支援訓練』が雇用保険の受給資格がない方を対象なのに対して、雇用保険の受給資格者が対象なのが『公共職業支援訓練』です。

次の項目ではこの公共職業支援訓練について説明していきます。

1-2.公共職業支援訓練

公共職業支援訓練について説明します。

公共職業支援訓練は、雇用保険の受給資格を持っている方が受講できる職業訓練です。再就職に必要な知識や技術を身につける訓練を無料で行う制度です。

公共職業支援訓練には2種類あり、1つは施設内訓練、もう1つが委託訓練です。

1-2-1.施設内訓練

施設内訓練は国や都道府県が直営・常設している訓練です。具体的な名称としては職業能力開発促進センター、ポリテクセンターなどの名称で呼ばれています。

施設訓練の方が受講期間の長いコースが多いことや、中小企業からの直接求人行があることもあり、就職率は高く令和元年度では84.8%でした。

1-2-2.委託訓練

委託訓練は、国や都道府県から委託を受けた民間企業・学校・NPOなどが行う職業訓練です。3ヶ月から半年程度の訓練が多く、委託訓練の就職率は施設内訓練の就職率よりも低く71.6%となっています。

公共職業支援訓練は、雇用保険の受給資格を持ち、ハローワークより「受講指示」が出ている人が対象の職業訓練です。ハローワークでは条件に該当する職業訓練希望者に「受講指示」を出し、公共職業支援訓練を受講させています。

受講指示を受けた対象者は、失業給付の支給期間満了後も職業訓練終了まで失業給付を受給し続けることができます。他にも受講指示を受けると次のメリットがあります。

  1. 失業保険の給付開始までの制限期間に関係なく、訓練開始と同時に失業保険が支給開始される
  2. 失業保険の支給期間が訓練終了まで延長される
  3. 受講手当は1日500円で40日分支給される
  4. 通所手当として交通費が支給される

また訓練期間中は失業保険の支給対象となるので、訓練を開始することで

  1. 通常の自己都合退職よりも早く受給開始できる
  2. 本来の支給期間が終了した後も訓練期間中であれば受給が継続される

などのメリットもあります。

失業保険の給付をフル活用しながら、なおかつ受講手当・通所手当(交通費)が支給されるという仕組みになっています。

公共職業支援訓練の対象者は、雇用保険の受給資格を持っている方に限られるため、主にオススメなのは次の方達です。

公共職業支援訓練の受講をオススメする人

  1. 失業した後、別の業界で働くためのスキルを身に着けたい人
  2. すでに離職することが決まっている人(受講の2週間前までに離職している必要あり)

公共職業支援訓練で受講できる訓練の内容は次のようなものがあります。

公共職業支援訓練で受講できる訓練の内容

  • パソコンを習うコース
  • 事務系
  • 医療・介護
  • WEB・DTP・CAD
  • ビル設備・電気系
  • 自動車整備・機械・電機など
  • 美容系

介護の訓練の中に介護職員初任者研修も含まれているため、無料で初任者研修を受講できます(ただし訓練期間が1年や2年といった長期の場合は有料の場合もあります。)

公共職業支援訓練は

  • 専門的な訓練を受講できる
  • 学校経由で希望にマッチした求人を見つけることができる
  • 業界に合わせた就職指導が受けられる

などの理由から就職率も高いです。


求職者支援訓練と公共職業支援訓練。この2つの制度は雇用保険の受給資格の有無で、どちらの制度の対象になるかが変わります。

求職者支援訓練は雇用保険の受給資格がない方が対象のため職業訓練受講給付金をもらいながら訓練を行い、公共職業支援訓練は雇用保険から失業給付を受けながら訓練を行います。

求職者支援訓練公共職業支援訓練
対象者雇用保険受給資格のない人雇用保険受給資格者(雇用保険に加入していて失業給付金を受けられる人
訓練実施主体・企業
・学校
・NPOなど
国や都道府県が運営する公共職業訓練校
または同校から委託された訓練機関
訓練費用基本的に無料基本的に無料、長期の訓練は有料の場合も
就職率(令和元年度)・基礎コース:57.3%
・実践コース:61.4%
・施設内訓練:84.8%
・委託訓練:71.6%

2つの職業訓練の制度を説明しました。

ハローワークの職業訓練の具体的な流れは、次のようになっています。

ハローワークの職業訓練の流れ

  1. ハローワークの窓口で職業訓練の相談をする
  2. 希望する講座・コースに申し込む
  3. 選考試験を受ける
  4. 選考試験を受ける
  5. 講座を受講する
  6. 資格取得する
  7. ハローワークのサポートを受けて就職する

では『職業訓練として初任者研修を受講する際の注意点』を次の項目で紹介します。

2.ハローワークで初任者研修を受講する際の5つの注意点

ハローワークで初任者研修を受講する際の注意点を5つ紹介します。

  1. テキスト代は実費
  2. 定員があり、倍率が高い
  3. 選考試験がある
  4. 最短でも3ヶ月以上の時間がかかる
  5. 平日の月曜〜金曜までみっちり講義がある

それぞれ解説していきます。

2-1.テキスト代は実費

求職者支援訓練と公共職業支援訓練といったハローワークでの職業訓練は受講料が無料になりますが、テキスト代は実費負担となります。講義によっても異なりますが、介護職員初任者研修の場合は1~3万円程度かかります。

ハローワークの職業訓練とはいえ、全てが無料ではない点に注意しましょう。

2-2.定員があり倍率が高い

ハローワークの職業訓練は定員があり、倍率は通常の民間スクールの講座よりも高いのが特徴です。

講義によって倍率は異なりますが、初任者研修など介護系の講座は比較的倍率が低いので合格できる可能性は高いようです。しかし不合格になる場合もあるので注意しましょう。

2-3.選考試験がある

受講するためには選考試験があり、筆記試験・適性検査・面接・作文などによって選考されます。

選考試験を突破するコツについては、『【番外編】ハローワークの高い倍率を突破するには』で紹介しているので合わせてご覧ください。

2-4.最短でも3ヶ月以上の時間がかかる

ハローワークの職業訓練として初任者研修を受講する場合、最短でも3ヶ月以上の時間がかかります。

また民間スクールと違い、初任者研修を常に開講しているわけではないので、希望するタイミングで開催されていない場合もあります。

結局、受講期間以外にも受講申し込みや選考などの期間も含めると、取得まで3ヶ月以上の時間がかかります。

2-5.平日の月曜〜金曜までみっちり講義がある

ハローワークの職業訓練は通信制ではなく通学なので、平日の月~金までみっちり講義があります。

一方民間のスクールは「通信制」のコースが主流で、自宅学習を行いながら通学する形となっています。

しかしハローワークで受講する場合は自宅学習はなく、全て通学となるのでハードなスケジュールになるでしょう。


ハローワークの職業訓練にはこのような注意点があるので、それらを踏まえた上で『ハローワークで資格取得するか・民間のスクールで資格取得するか』を検討しましょう。

3.ハローワークでの受講を検討すべき人・そうでない人

ハローワークでの受講を検討すべき人の特徴2点をまとめています。

1つずつ項目を見ていきましょう。

①平日の日中に時間の余裕がある人

まず平日の日中に時間の余裕がある人です。

ハローワークの職業訓練は通学制で、平日毎日会場に通います。育児や家事などで日中自由に使える時間がない人は、平日通学での受講は難しいでしょう。

民間スクールであれば土・日開講コースを選ぶなど自分のスケジュールに合わせて受講できますが、ハローワークの職業訓練では受講日を指定されます。

つまり平日の日中に時間が取れることが条件になります。

②自宅で机に向かって学習することが苦手な人

1人で勉強することが苦手な人もハローワークの職業訓練を活用すると良いでしょう。

民間スクールの講座は通信課程が一般的です。通信課程と聞くと「通学時間が全く無いの?」と思いがちですが、実際にはスクーリングの比重が多いカリキュラムなので40時間分は自宅学習となります。

通信課程の自宅学習のように1人で机に向かって勉強することが苦手な人は、ハローワークの職業訓練のように全てが通学形式で、他の人たちと教室で一緒に学習する環境の方が集中できるでしょう。

以上の2点がハローワークの職業訓練を検討すべき人です。 


反対にハローワークを検討すべきでない人も解説します。

①早く働きたい人・早く働く必要のある人

少しでも早く働きたい人にはハローワークの職業訓練は向いていません。

これまで解説した通り、受講開始まで時間がかかること・講座の受講期間が長いことからすぐに資格取得・就職ができません。民間のスクールで資格取得するより3ヶ月以上も遅くなる可能性があります。

失業給付や職業訓練受講給付金が支給されるため、それらを生活費に充てることができますが、支給される金額以上に生活費が必要な場合は少しでも早く働くことをオススメします。

また職業訓練受講給付金が、世帯の収入要件などで、給付対象外になる場合もあります。給付金が支給されないのであれば、民間のスクール等を活用し少しでも早く資格取得して働く方がいいでしょう。

②働きながら資格を取得したい人

働きながら初任者研修の資格を取得したい人には、ハローワークの職業訓練をオススメできません。

中にはハローワークでの職業訓練を受けながら、講義後の夜間や土日などにアルバイトをする人もいますが、就労時間数などによっては失業保険の給付がストップしたり減額されることがあります。

民間のスクールであれば、無資格・未経験からでも介護の現場で働きながら資格取得が可能です。

③通学する手間をできるだけ省きたい人

「通学するのが手間」と考える人も向いていません。

初任者研修を受講するためハローワークの職業訓練に毎日通わなければいけません。これを手間に感じるようであれば、ハローワークの職業訓練はオススメできません。

「自宅学習の方が負担が少なくて助かる」と思う方は、民間スクールの通信課程で受講することをオススメします。

ここまでハローワークの職業訓練を検討すべき人・そうでない人の特徴を紹介しました。

ハローワークの職業訓練を検討すべき人ハローワークの職業訓練を検討すべきでない人
  • 平日の日中に時間の余裕がある人
  • 半年程度は仕事に就かなくてもいい人
  • 自宅で机に向かって学習することが苦手な人
  • 早く働きたい・早く働く必要のある人
  • 働きながら資格を取得したい人
  • 通学する手間をできるだけ省きたい人

ハローワークの職業訓練で初任者研修を受講するには、選考試験を突破しなければいけません。実際には応募者が多く倍率が高い場合もあります。

高い倍率でも突破できるポイントについて、次の項目で解説していきます。

4.【番外編】ハローワークの高い倍率を突破するには

ハローワークの選考を突破するためのポイントについて説明します。

ハローワークでの職業訓練は、誰でも好きな講座を受けられるわけではありません。職業訓練校などでの選考試験を突破する必要があります。選考方法は面接・適性検査・筆記試験・作文などがあり、詳細は都道府県によって異なります。

ここでは作文に関する選考試験合格のポイントを解説します。

特に重要な点は志望動機の書き方です。

いざ作文となると「作文なんて普段書くこともないから、どんなことを書いたらいいのかわからない…」という方が大半でしょう。

作文で選考試験に合格するには、次の3ポイントを意識しましょう。

1つずつポイントを見ていきましょう。

4-1.就職への意思が伝わるか?

まず重要なのは「就職したい・働きたい」という意思が伝わることです。「すぐに働きたい」という気持ちを文章全体から表現しましょう。

次の文章を参考にしてみてください。

「就職したい・働きたい」という意思が伝わる書き方(例)

介護の資格を取得し、仕事を通して社会に貢献していきたいと考えています。基礎からしっかり学び、少しでも早く就職することを希望しています。

この例文のように「しっかり技術や知識を学び、早く就職し社会貢献していきたい」という思いを文章中にアピールしましょう。

4-2.介護の仕事への思いが伝わるか?

介護の仕事に対する思いが伝わると印象が良いでしょう。

『介護の仕事に対する思い』が伝わらないダメな書き方(例)

  • 面白そうだから受講してみようと思った
  • ちょうどタイミングよく募集があった
  • 介護だったらできそうだと思った

上のような曖昧な動機では、介護の仕事に対する思いが不十分です。介護の仕事への特別な思いを伝えられるよう文章を工夫しましょう。

一例を下記に紹介します。

『介護職への思い』が伝わる作文(例)

高齢化の進む今、介護職はこれからの社会に必要とされる職業です。介護の仕事を通して、困っている人の力になりたいと考えています。

そのために介護職員に求められる技術や知識を身に付けることができる、介護職員初任者研修の受講を希望しました。

このように書けば、介護という仕事に対する自分の思いをアピールでき好印象につながるでしょう。

4-3.明確に将来のプランが見えるか?

最後のポイントは、将来のプランが見えているかどうかです。

働き始めることがゴールではなく、その後のキャリアを含め介護職員としてどのように社会に貢献していくかを記載するといいでしょう。

例えば次のような作文を書けると好印象ですね。

介護職のキャリアも見据えた作文(例)

介護職員初任者研修を修了し介護の仕事に就いてからも、介護について常に学び続けていきたいと考えています。

介護の仕事で経験を積み、将来的には介護福祉士の資格取得を目指しています。質の高いケアを実践できる介護職員に成長していきたいと思います。

このように具体的にキャリアプランを書くことで、「将来を見据えて介護を学ぼう」という意志の強さや本気度が伝わるでしょう。逆に漠然とした内容を書くと、就職への意欲が感じられず、選考で落とされるでしょう。

仕事としての介護ではなく「家族の介護に生かしたい」という内容を書く人も多いですが、あくまで職業訓練としての初任者研修なので、目的は就職でなければいけません。

次のような内容を含んでしまうと、選考を突破しづらいでしょう。

不適切な作文例(目的が「就職」ではない)

  • 実母を介護しており、それに生かせるよう介護の技術を身に付けたいと思いました
  • 今後、高齢化が進むので社会勉強のために介護について知りたいと思いました
  • 資格を持っておけばいつか役に立つと言われているので、短期間でとれる介護の資格を取ろうと思いました

このような文章では、就職への意思が薄いと判断される可能性が高いので、あくまで訓練を終えた後に、介護を仕事としていくことを前提とした文章を書きましょう。

選考試験を突破するために、作文では次のポイントを意識した文章を書きましょう。

作文以外の選考では面接・適性検査・筆記試験などがあります。

それぞれの対策ポイントについて簡単に紹介します。

面接対策のポイント

面接は受講を希望する職業訓練校などで行われます。

服装は指定されない場合が多いようですが、男性であればスーツなど就職面接と同様に場をわきまえた服装を心がけましょう。

作文と同様、就職や介護の仕事への意欲を伝えることが重要です。

適性検査対策のポイント

職業訓練での適性検査は、企業の採用試験で行われるSPIのような学力を確認するものではなく、GATB(厚生労働省編一般職業適性検査)という検査方法がとられることが多いです。

GATBとは

  • 円の中に点を打つ
  • 同じ図柄を見つけだす
  • 文字・数字の違いを見つける

などの作業を行い、適性を確認するための検査です。

筆記試験対策のポイント

職業訓練での筆記試験は国語と数学の問題が出題されます。

問題のレベルは小学校から中学校で学習する程度の問題が出題されるので、難易度が特に高いわけではありません。


これらの選考方法によって、職業訓練受講の可否が決定します。

希望者全員が、初任者研修をハローワークの職業訓練として受講できるわけではありません。希望する日程での講座がない場合や選考試験に残念ながら落選してしまうこともあります。

そこでハローワークでの職業訓練が受けられない時、初任者研修の受講費用の負担を少なくする方法を次の項目で紹介します。

5.初任者研修を受講する際に活用できるその他の制度

初任者研修を受講する際に活用できる制度はハローワークの職業訓練だけではありません。

受講生の負担を少なくすることのできる2つの制度を紹介します。

  1. 民間スクールの就職支援制度
  2. 教育訓練給付金制度

それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

ハローワーク職業訓練民間スクールの就職支援制度教育訓練給付金制度
対象者ハローワークに登録・受講指示を受けた者特になし雇用保険の受給資格を保有する者
メリット・無料で訓練を受講できる
・手当や交通費が支給される場合もあり
・条件を満たせば無料で受講できる講座もある
・最短1ヶ月で資格取得できるコースもあり
・受講費用の20%が雇用保険から支給される(上限10万円)
・初任者研修だけでなく様々な資格講座等にも適用可
デメリット・訓練期間は就労に制限あり
・平日毎日通学しなければいけない
・受講期間が長く、資格取得まで時間がかかる
・キャッシュバック適用には条件がある(就職後一定期間以上の勤務が必要など) 一度給付金を受給すると、3年間は給付金を使えない
オススメな人・平日に時間の余裕がある人
・自宅で机に向かって学習することが苦手な人
・早く資格取得して働きたい人
・働きながら資格取得したい人
・通学する手間をできるだけ省きたい人
・雇用保険の受給資格を持っている人全般
・初任者研修の受講費用に自己負担が発生する人

5-1.民間スクールの就職支援制度

まず民間スクールの就職支援制度を紹介します。

初任者研修の受講をサポートしているのは、ハローワークなどの公的機関だけではありません。民間が運営するスクールでも、初任者研修の受講と就職支援をセットにすることで、受講費用が安くなるサービスがあります。

そしてハローワークで初任者研修の受講を考えている人こそ、この民間スクールの就職支援制度の存在を知っておいて欲しいのです。

なぜなら民間のスクールが提供する「就職支援制度」を活用すれば、無料で資格を取得でき、就職支援の受けられるからです。

「就職支援制度」とは、初任者研修受講後にスクールが指定する事業所に転職すると、初任者研修の受講料がキャッシュバックされる制度です。資格取得後の職場探しもスクール側がサポートしてくれるため、資格取得から介護業界への転職までサポートを受けられます。

スクールによってキャッシュバックが得られる条件が異なります。就職先で一定期間勤務することが、キャッシュバックの条件になっている場合もあります。

受講する際には適用条件を十分確認するようにしましょう。

スクール|制度対象地域キャッシュバック制度の適用条件
未来ケアカレッジ|受講料全額キャッシュバック・首都圏
・関西
・東海
・福岡
『転職サイト「未来ケアワーカー」の就職サポートを受けて就職する』などの条件を満たすと受講料が全額キャッシュバック
ベネッセスタイルケア|受講料キャッシュバック制度・首都圏
・愛知
・大阪
・兵庫
『受講修了後3ヶ月以内にベネッセスタイルケアに介護職として内定し、ベネッセスタイルケアに3ヶ月以上在籍する』などの条件を満たすと受講料が全額キャッシュバック
ニチイ|受講料キャッシュバック制度全国『受講終了後3ヶ月以内にニチイの介護スタッフとして就職し、通算325時間以上の勤務』などの条件を満たすと受講料が全額キャッシュバック
カイゴジョブアカデミー|カイゴジョブアカデミー特待生制度・首都圏
・愛知
・大阪
・兵庫
『カイゴジョブが紹介する介護・医療企業に就職、すぐに就業が可能』などの条件を満たすと受講料が無料
三幸福祉カレッジ|求職者割引全国『受講申し込み時点で介護のお仕事を探している方』は受講料最大30%割引

ハローワーク・民間のどちらで受講するかは、一度資料請求をして民間のスクールの「就職支援制度」の詳細を確認し検討しましょう。 

下記から無料かつ一括で初任者研修を開講している民間のスクールの資料請求ができ非常に便利です。

\簡単ステップで2分で完了!完全無料/

5-2.教育訓練給付金制度

2つ目に紹介するのは教育訓練給付金制度です。

教育訓練給付金制度は、雇用保険の受給資格を保有している人が対象になります。雇用保険というと失業給付のイメージが強いと思いますが、労働者の能力開発・キャリアアップも広くカバーする社会保険になっています。その1つが教育訓練給付金制度です。

教育訓練給付金制度を活用することで、制度対象講座受講費用の20%分(上限10万円)が雇用保険から受講者に給付されるため、講座受講の自己負担が少なくなります。

例えば、5万円の初任者研修を受講すると、そのうちの20%である1万円が教育訓練給付金として、受講修了後に支給されます。

そのスクールが「教育訓練給付金制度」を実施しているかどうかは、スクールのホームページや講座のパンフレットから確認できます。

まずは教育訓練給付金制度対象の民間スクールから、資料請求をしてみてください。

スクール名対象地域
ニチイ全国
三幸福祉カレッジ全国
未来ケアカレッジ・首都圏
・関西
・東海
・福岡
ベネッセスタイルケア・首都圏
・愛知
・大阪
・兵庫
カイゴジョブアカデミー・首都圏
・愛知
・大阪
・兵庫

初任者研修修了後にも

  • 介護福祉士実務者研修
  • 介護福祉士国家試験受験対策講座
  • ケアマネ試験対策講座

でも同様に教育訓練給付金対象講座が活用できるので、キャリアアップの際にも有効です(一度受給したら、3年間は制度を利用できません)。


ここだえハローワークの職業訓練以外に活用できる2つの制度を紹介しました。

  1. 民間スクールの就職支援制度
  2. 教育訓練給付金制度

ハローワークの職業訓練だけでなく、別の方法でも費用を抑えながら初任者研修を受講できる制度を紹介しました。今回解説したように、民間のスクールも選択肢に入れて検討してみると良いでしょう。

6.まとめ

いかがだったでしょうか?

まとめると、ハローワークには初任者研修を受講できる制度として、次の2つがありました。

そして各条件は次の通りでした。

求職者支援訓練公共職業支援訓練
対象者雇用保険受給資格のない人雇用保険受給資格者
(雇用保険に加入していて失業給付金を受けられる人)
訓練実施主体・企業
・学校
・NPOなど
国や都道府県が運営する公共職業訓練校
または
同校から委託された訓練機関
訓練費用基本的に無料基本的に無料だが、長期の訓練は有料のものもあり
就職率(令和元年度)・基礎コース:57.3%
・実践コース:61.4%
・施設内訓練:84.8%
・委託訓練:71.6%

ハローワークで初任者研修を受講する際の注意点は次の5つでしたね。

  1. テキスト代は実費
  2. 定員があり、倍率が高い
  3. 選考試験がある
  4. 最短でも3ヶ月以上の時間がかかる
  5. 平日の月曜〜金曜までみっちり講義がある

またハローワークでの受講に向いている人、向いていない人は次の通りでした。

向いている人

  • 平日の日中に時間の余裕がある人
  • 半年程、仕事に就かなくてもいい人
  • 自宅で机に向かって学習することが苦手な人

向いていない人

  • 早く働きたい人・早く働く必要のある人
  • 働きながら資格を取得したい人
  • 通学する手間をできるだけ省きたい人

初任者研修の受講には、ハローワーク以外にも様々な制度があります。メリット・デメリットを比較し、民間のスクールの資料請求をしながら比較してみてください。

ハローワーク職業訓練民間スクールの就職支援制度教育訓練給付金制度
対象者ハローワークに登録・受講指示を受けた者特になし雇用保険の受給資格を保有する者
メリット・無料で訓練を受けることができる
・手当や交通費が支給される場合もあり
・条件を満たせば無料で受講できる講座もある
・最短1ヶ月で資格取得できるコースもあり
・受講費用の20%が雇用保険から支給される(上限10万円)
・初任者研修だけでなく、様々な資格講座等にも適用可能
デメリット・訓練期間は就労に制限あり
・平日毎日通学しなければいけない
・受講期間が長く、資格取得まで時間がかかる
・キャッシュバック適用には条件がある(就職後一定期間以上の勤務が必要など) ・受講するのに一度給付金を受給すると、3年間は給付金を使えない
お勧めしたい人・平日に時間の余裕がある人
・半年程度は仕事に就かなくてもいい人
・自宅で机に向かって学習することが苦手な人
・早く資格取得して働きたい人
・働きながら資格取得したい人
・通学する手間をできるだけ省きたい人
・雇用保険の受給資格を持っている人全般
・初任者研修の受講費用に自己負担が発生する人

この記事が少しでも参考になれば幸いです。