福祉系資格の代表格!介護福祉士の給料を色んな角度から深掘り解説!

介護福祉士,給料

介護に関する資格と聞くと、「介護福祉士」をイメージする人は多いのではないでしょうか。

介護福祉士は国家試験である介護福祉士試験に合格した人だけが名乗ることのできる名称独占の資格で、社会福祉士や精神保健氏とともに「3福祉士」と呼ばれることもあります。

介護福祉士に合格することは豊富な介護知識と経験を有することの証でもあるため、他の介護士と比べると給料面でも差が出ます。

そこで今回は、介護の仕事をするならぜひ目指したい介護福祉士の給料について、さまざまな角度から解説します。

1.介護福祉士の年収は約376万円

まずは、介護士の平均年収を見てみましょう。

厚生労働省のデータによると、介護福祉士の平均給与額はひと月あたり313,920円、年収に換算すると376万7,040円となります。

では、実際に手元に入る手取り額はいくらか計算してみましょう。

ひと月あたりの手取り額は額面の75~85%程度が一般的です。

したがって、以下のように年収に0.75~0.85を掛けて計算すると大まかな手取り額を知ることができます。

手取り額=年収×0.75~0.85÷12(カ月)

例えば、上記で例に挙げた介護士の平均給与をもとに、手取り額を計算すると以下のようになります。

ひと月あたりの平均給料年収ひと月あたりの手取り額
313,920円376万7,040円251,136円

※手取り額は、月収×0.8で計算

したがって、平均年収である376万円を目安にして求人情報を探すのがおすすめです。

2.【番外編】介護福祉士の私の給料事情 

関西在住・K.Sさん

(31歳)

私は介護士として働き始めて5年経った頃に、介護福祉士の試験を受けました。

私は介護士として働き始めて5年経った頃に、介護福祉士の試験を受けました。

それまではデイサービスの正社員として働いていましたがヘルパー2級(現在の介護職員初任者研修)しか持っていなかったので資格手当などの加算はなく、毎月の給料は確か14万円前後だったと思います。

ボーナスは年に2回ありましたが、それぞれ25~30万円程度だったので、当時の年収は230万円に満たない程度でした。

介護福祉士資格は、デイサービスから訪問介護事業所へ転職をしてパートタイムの訪問ヘルパーになってから取得しました。

私が転職した施設では、初任者研修と介護福祉士は時給に60円の差があります。

例えば、初任者研修の修了者は、

  • 生活援助(ご利用者さんの身の回りのサポートなど):時給1,400円
  • 身体介護(食事・排泄・入浴などご利用者さんに直接関わる介護):時給1,750円

でしたが、介護福祉士になると

  • 生活援助:時給1,460円
  • 身体介護:時給1,810円

に上がります。

私は1日に4~5時間働いていたので、多い時は日給8,000円ほど稼ぐことができました。

訪問介護の仕事はひと月の訪問件数によって収入が変わるため、月収は毎月変動があります。

私の場合は、担当していたご利用者さんの長期入院などで収入がガクンと減った時期もあるため、月収は大体8~15万円前後で変動していました。

年収に換算すると130~150万円程度だったと思います。 

私は介護福祉士になる前後で勤務先や雇用体系が異なるため、資格取得による収入の違いを正確に比較することはできませんが、

介護福祉士になったことで人より高い時給で働くことができたので、今となっては「もっと早く取得しておけば良かったな」と思っています。

これから介護士として仕事を頑張っていきたいならぜひ早いうちに取得しておくのがおすすめですよ。

3.介護福祉士の給料を大解剖

ここからは、介護福祉士の給料についてより深く見ていきましょう。

3-1.他資格と比較した介護福祉士の給料

まずは、他資格との比較です。

今回は、以下の4つの資格について平均給与額を比べてみましょう。

  • 無資格
  • 初任者研修
  • 実務者研修
  • 介護福祉士

厚生労働省のデータによると、各資格のひと月あたりの給料は以下の通りです。

職種平均給与額(ひと月あたり)
無資格261,600円
初任者研修285,610円
実務者研修288,060円
介護福祉士313,920円

参照元:平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要

※平均給与額は、基本給(月額)+手当+一時金(4~9月支給額の1/6)

このように、介護福祉士は他資格と比べても高収入が期待できると言えます。

3-2.【施設別】 介護福祉士の給料

次に、施設別の給料の違いを比べてみましょう。

今回は、厚生労働省のデータに基づき以下の6つの施設で比較します。

施設タイプ施設形態施設の特徴
入居型介護老人福祉施設終身介護を受けられる施設
介護老人保健施設リハビリや医療的ケアが必要な高齢者が自宅復帰を目指し、一時的に入居する施設
介護療養型医療施設重度の高齢者が医療処置やリハビリを受けられる施設
認知症対応型共同生活介護認知症高齢者の共同生活を目的とした施設
訪問型訪問介護事業所介護士が直接自宅を訪問して介護サービスを提供する施設
通所型通所介護事業所自宅で過ごす高齢者の外出機会や他者との交流ができる施設

それでは、これらを平均給与額の高い順に並べてみましょう。

施設形態平均給料(ひと月あたり)
介護老人福祉施設342,230円
介護老人保健施設326,540円
訪問介護事業所301,480円
介護療養型医療施設297,150円
認知症対応型共同生活介護291,500円
通所介護事業所277,010円

参照:平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果

同じ介護福祉士でも、働く施設により数万円の差があることがお分かりいただけるでしょう。

最も給料の高い介護老人福祉施設と、最も給料の安い通所介護事業所では、約65,000円もの差があります。

3-3.【男女別、年齢別】介護福祉士の給料

では、次に厚生労働省のデータをもとに、性別や年齢による給料の違いを比べてみましょう。

:最高額 :最低額

年齢男性女性
29歳以下286,920円274,450円
30~39歳325,930円292,530円
40~49歳343,420円 298,610円
50~59歳314,030円300,260円 
60歳以上271,610円 272,760円 

参照:平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果

このように、男性と女性では平均給料が最も高くなる年代に違いがあることが分かります。

3-4.介護福祉士の残業代・夜勤・手当・特定処遇改善加算

ここからは、以下の4つのポイントに絞り、介護福祉士の収入について見ていきましょう。

  1. 残業代
  2. 夜勤
  3. 手当
  4. 特定処遇改善加算

①残業代

残業代は、いつ・どのように残業したのかによって、以下のように計算方法が異なります。

いつ(※)計算方法
法定労働時間の超過時給×1.25
法定休日の出勤時給×1.35
法定外休日に出勤した際の労働時間の超過時給×1.25

※労働基準法では、法定労働時間を原則「1日8時間、週40時間以内」、法定休日を原則「週1日」と定めています。また、法定外休日とは、法定休日数を上回る休日を指します。

例えば、週休2日制の施設の場合は、法定休日が週1日のため、2日のうち1日が法定休日、もう1日が法定外休日となります。

サービス残業は労働基準法の違反になるため公には認められていませんが、残念ながらサービス残業があるケースは珍しくありません。

筆者の勤めていた施設でも基本的には残業代が出ていましたが、10~15分程度の場合はサービス残業となってしまったこともありました。

その日の利用者さんの状態によって残業の有無も変わるため、残業日数は月によって異なります。

利用者さんの身体の状態が優れない時には業務時間内に介護を終えられず、多い時には月に14日ほど残業していましたね。

筆者の場合は時給1,810円で働いていましたが、法定労働時間内の残業だったため、残業による上乗せ金額はありませんでした。 

②夜勤

労働基準法により、22~5時までの7時間は深夜割増賃金として時給を25%アップすることが定められています。

特養やグループホームなど入居型の介護施設で働くと夜勤勤務があります。

例えば、仮に時給1,200円の人が夜勤を行った場合の夜勤手当は、以下のようになります。

基本給(時給)1,200円
夜勤手当を含んだ時給1,500円(1,200円×1.25)
22~5時までの合計報酬10,500円(1,500円×7時間)

③手当

厚生労働省が行った調査結果によると、介護福祉士の資格手当の平均額は10,802円となっています。

参照:介護福祉士等現況把握調査の結果について

資格手当を受け取っている介護福祉士の中では平均額である10,000~15,000円の手当額が多いですが、介護士全体で見ると実は資格手当がないケースが最多です。

これは、介護福祉士資格を保有していることによる月々の資格手当ではなく、基本給への上乗せとして支払っている施設が多いというのも理由の一つに考えられます。

筆者も介護福祉士資格を取得しましたが、資格手当はなく、時給額のアップという形で上乗せされていました。

④特定処遇改善加算

特定処遇改善加算とは、条件に該当する介護スタッフの給料をアップさせるという取り組みで、2019年10月に施行されました。

特定処遇改善加算により給料アップが期待できる介護スタッフの条件は以下の2つです。

  1. 勤続年数10年以上
  2. 介護福祉士

原則として上記を満たすスタッフを対象に、月収8万円以上アップまたは年収440万円以上にアップのいずれかの策が取られる仕組みです。

介護福祉士資格を所有していることは必須条件ですが、必ずしも勤続10年以上である必要はなく、最終判断は各施設に委ねられているため、

経験やスキルがあると認められれば、勤続が10年に達していなくても給料が上がる可能性はあります。

介護業界は転職や離職も多いため、勤続10年以上のスタッフそのものの人数が少なく、筆者が勤めていた施設でも数十人のスタッフのうち、10年以上勤めているのはリーダーなどの役職に就いている2~3名のみでした。

では、ここまで解説した内容をまとめておきましょう。

項目詳細金額
残業代法定労働時間の超過時給×1.25
法定休日の出勤時給×1.35
法定外休日に出勤した際の労働時間の超過時給×1.25
夜勤手当22~5時までの勤務時給×1.25
資格手当介護福祉士資格の取得平均10,802円
(ただし資格手当がないケースが最多)
特定処遇改善加算以下の条件を満たす介護スタッフ(各施設で最低1名以上)が対象
  1. 勤続年数10年以上(例外あり)
  2. 介護福祉士
月収8万円以上アップ
または
年収440万円以上にアップ

4.【番外編】介護福祉士の将来性

世界的に見ても超高齢社会である日本。少子高齢化も進む中、今後もますます高齢者率が高まることが予想されます。

少子高齢化には、年金制度の崩壊や医療費の高騰などさまざまな課題がありますが、介護に焦点を当ててみると、実は介護業界は成長産業だと言えます。

つまり、高齢者が増えれば増えるほど、介護サービスの需要は高まるのです。

成長産業であり人手を要する業界である反面、介護現場において介護スタッフによる高齢者虐待のニュースを耳にする機会もあります。

このような事件を起こさないためにも、介護施設では、高齢者福祉に理解と熱意があり、より高い志を持っている介護士を強く求めています。

そこで求められるのが介護福祉士です。

介護福祉士は、福祉系国家資格の代表的存在とも言え、入居型・通所型・訪問型のどんな介護施設においても第一線で働くことのできる魅力的な資格です。

受験には実務経験や実務者研修の修了が義務付けられているため、介護福祉士の資格を保有していることで、豊富な介護知識や経験があることの証明にもなります。

特定処遇改善加算の施行など、介護福祉士の労働環境を改善しようとする取り組みも増えていることからも、介護福祉士が注目を浴び、重宝されていることがお分かりいただけるでしょう。

したがって、介護福祉士は将来性のある職業だと考えられます。

5.介護福祉士から更に給料を上げるための3つのポイント

最後に、介護福祉士からさらに給料を上げるためのポイントをご紹介します。押さえておきたいのは、以下の3つです。

  1. キャリアアップをする
  2. 手当を増やす
  3. 給与の高い施設形態に転職をする

では、ひとつずつ見ていきましょう。

5-1.キャリアアップをする

介護福祉士からのキャリアアップとして多いのは、介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格取得です。

介護支援専門員とは、利用者さんや家族からの相談を受けながら利用者さんの生活をサポートすることが主な仕事です。

利用者さんが必要としているサービスを見極めて介護計画を立て、デイサービスや訪問介護事業所などの関係施設への連絡や調整を行います。

介護支援専門員になるためには、以下の受験資格のいずれかを満たしたうえで、介護支援専門員実務研修受講試験に合格し、さらに87時間の研修の受講が必要です。

介護支援専門員の受験資格

  1. 介護福祉士、看護師、医師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、栄養士などの国家資格を保有し、5年以上の実務経験がある。
  2. 生活相談員、支援相談員、相談支援専門員などの相談援助業務に従事し、5年以上の実務経験がある。
  3. 5~10年以上の介護等の実務経験がある。

介護支援専門員は、介護福祉士に比べて平均給料も高くなります。

厚生労働省のデータに基づき、これらの給料を比べてみましょう。

資格別ひと月あたりの平均給料
介護福祉士313,920円
介護支援専門員(ケアマネジャー)350,320円

参照元:平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要

※平均給与額は、基本給(月額)+手当+一時金(4~9月支給額の1/6)

このように、介護支援専門員になることにより月収を数万円アップさせることが可能です。

5-2.手当を増やす

給料に手当を加算することで収入を増やすことも可能です。

介護福祉士がもらえる可能性のある手当というと介護福祉士資格を保有することによる資格手当ですが、そのほかにも主に以下のようなものがあります。

手当の種類概要金額
①夜勤手当22~5時までの夜勤勤務をすると支給される時給×1.25
②役職手当リーダーなどの役職に就くと支給される10,000~20,000円程度が相場
(施設により異なります)
③皆勤手当欠勤せず勤務した際に支給される10,000円程度が相場
(施設により異なります)

上記のうち、②役職手当と③皆勤手当は施設により異なるため、期待していた金額をもらえない可能性もあるため、確実に収入を増やしたいなら①夜勤手当がおすすめです。

特に、日勤をせず夜勤のみ勤務する夜勤専従スタッフとして働くと、勤務日の時給がすべて25%アップになるため、より高い給料を得ることが可能です。

 仮に時給1,200円の人が夜勤を行った場合の夜勤手当は、以下の通りです。

基本給(時給)1,200円
夜勤手当を含んだ時給1,500円(1,200円×1.25)
22~5時までの合計報酬10,500円(1,500円×7時間)

5-3.給与の高い施設形態に転職をする

3章で解説したように、同じ介護福祉士でも働く施設によって平均給料が異なるため、給与の高い施設に転職することで今よりも収入を上げることができます。

例えば、通所介護事業所から介護老人福祉施設へ転職した場合は、約65,000円もの収入アップが期待できます。

以下の一覧表をもとに、転職後の給料をシミュレーションしてみるとよいでしょう。

施設形態平均給料(ひと月あたり)
介護老人福祉施設342,230円
介護老人保健施設326,540円
訪問介護事業所301,480円
介護療養型医療施設297,150円
認知症対応型共同生活介護291,500円
通所介護事業所277,010円

参照元:平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果

では、最後に上記で解説した内容をまとめてみましょう。

給料を上げるポイント期待できること
①キャリアアップをする平均給料の増額
②手当を増やす月給への加算
③給与の高い施設形態に転職をする平均給料の増額

6.まとめ

いかがでしたか?

今回は介護福祉士に的を絞り、さまざまな視点からの給料事情を解説しました。

介護福祉士の平均年収は約376万円で、給料を上げるポイントは

  1. キャリアアップをする
  2. 手当を増やす
  3. 給与の高い施設形態に転職をする

の3つがありました。

介護福祉士になってからも、収入アップのルートは様々です。今回ご紹介した内容を参考に、じっくりと今後のキャリアプランを考えてみてください。