介護福祉士実務者研修を取得する5つのメリットと3つの注意点

実務者研修,メリット

「実務者研修にはどんなメリットがあるのかな?」あなたは今こんなことを考えていませんか?

結論から言うと、実務者研修を修了すると次の5つのメリットがあります。

反対に、取得する際の注意点3つは次の通りです。

また下記に少しでもピンと来る方は、実務者研修の取得をオススメします。

  • 介護福祉士になりたい方
  • 今よりもスキルアップをしたい方
  • 介護職として長く働く意欲のある方

この記事では

  • 実務者研修のメリット・注意点
  • どんな人にオススメなのか?

を詳しく解説しました。ぜひ最後までご覧になってください。では解説していきます。

1.介護福祉士実務者研修を取得する5つのメリット

実務者研修を取得するメリットについて解説します。

実務者研修を取得すると次の5つのメリットがあります。

  1. 介護福祉士の受験資格を得ることができる
  2. 医療的ケアが身につく
  3. 無資格/初任者研修よりも給料が上がる
  4. 転職しやすい(介護職への意欲を感じ取ってもらえる)
  5. サービス提供責任者として働くことができる

1-1.介護福祉士の受験資格を得ることができる

1つ目のメリットは「介護福祉士の受験資格を得ることができる」です。

実務者研修の正式名称は「介護福祉士実務者研修」です。実務者研修は介護職員が介護福祉士になるために必要な研修という位置づけになっています。

介護福祉士になるためには

  • 介護現場での3年の実務経験
  • 実務者研修の資格

が必要になります。

また介護福祉士は介護業界で唯一の国家資格です。介護福祉士になり、1人前の介護士として働いていく上でも、実務者研修の資格取得は必須です。

実務者研修を受講する方の受講目的のほとんどは、介護福祉士の受験資格を得るためです。

介護福祉士の受験資格を得ることができる」というメリットは、実務者研修の取得の最大のメリットでもあります。

1-2.医療的ケアが身につく

2つ目のメリットは「医療的ケアが身につく」です。

近年、たん吸引や経管栄養などの医療的ケアの必要な高齢者・障害者が増えています。また医療機関だけではなく介護施設・在宅でも医療ケアが行われる機会は増え、看護師のみでの対応が難しくなっています。

そのため実務者研修を受講し医療的ケアを身につけることで、介護士としてより多くの利用者さんに対応することができます。

今後は医師・看護師との連携の下で、医療的ケアを介護職員が担うことも多くなるとみられています。医療的ケアを実施できる技術を持った介護職員のニーズは今後も高くなっていくでしょう。

経管栄養とは

「経管栄養」とは、高齢者が食べる・飲み込む・消化するなどの機能にトラブルが生じた時に、管を通して流動の栄養剤を注入する方法のことです。主に鼻からチューブを直接胃に送り、胃に直接栄養剤を投与する「経鼻経管栄養」、胃に外から穴を開け、チューブから胃の中に直接栄養剤を投与する「胃ろう」などがあります。感染予防のための手技や手順・肺炎予防などについて実技で学びます。

たん吸引とは

たん吸引とは、高齢者が呼吸不全を起こすリスクを回避するために行う医療措置のことです。実務者研修では、主に鼻腔・口腔内のたんを吸引するための手技を学びます。感染防止のための手技や鼻腔・口腔内の粘膜を傷つけないようにする方法なども学習します。口や鼻からの呼吸に障害があるため気管切開をしカニューレという呼吸のための管をしている方への対応方法として、気管カニューレ内の吸引方法も学習します。

経管栄養や吸引といった医療ケアは対象者の生命維持に関わるため、実技も含めた研修が重要です。実務者研修の修了者は、医師や看護師との連携ができるなどの一定の条件下において経管栄養やたん吸引を行うことができます。

医療的ケアを身につけることができる点は、実務者研修のメリットの1つです。

1-3.無資格・初任者研修よりも給料が上がる

3つ目のメリットは「給与が上がる」ことです。

介護業界では職員が保有している資格によって資格手当の金額が異なり、より上位の資格を取得すれば資格手当も上乗せされ給料が上がります。

無資格→初任者研修→実務者研修→介護福祉士

という順に資格手当の金額が増えるため、無資格・初任者研修修了者よりも実務者研修修了者の方が資格手当は多くなり給与も高くなります。

下の表は介護労働安定センターの介護労働実態調査結果で、保有資格ごとの平均給与額を表したものです。

資格平均給与額(ひと月あたり)無資格者との差
無資格252,490円
初任者研修273,920円+21,430円
実務者研修288,060円+35,570円
介護福祉士313,920円+61,430円

参照元:平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果

実務者研修の修了者は

  • 無資格者より35,570円
  • 初任者研修修了者より14,140円

も平均給与(1ヶ月あたり)が高いことがデータからわかります。

無資格や初任者研修修了者よりも給与が上がることは、実務者研修を受講する大きなメリットになります。

1-4.転職しやすい

4つ目のメリットは「転職しやすい」という点です。

実務者研修を取得している職員は

  • 医療的ケアを実施できる
  • 介護福祉士取得も期待できる
  • 現場のチームマネジメントの知識を習得している

などできる業務の幅が広いため、転職にも有利になります。

例として介護の転職サイト「きらケア求人」の募集件数を紹介します。

保有資格検索ヒット件数
無資格OK14,221件
初任者研修修了者31,399件
実務者研修修了者36,196件

初任者研修修了者を対象にした求人数が31,399件に対し、実務者研修修了者を対象にした求人数が36,196件あります。

また実務者研修修了者に限定している求人も5,000件近くあり、事業所のリーダー職などより責任の大きな役職や職種の求人にも応募できます。

当然、その役割に見合った給与や待遇を受けることができます。実務者研修を取得しているため、介護に関して熱心に勉強している・向上心を持っていると評価されるからです。

事業所・施設側としても、実務者研修保有者は将来介護福祉士になる可能性の高い人材としてより高い期待を寄せるため、評価ポイントも高くなります。

実務者研修を取得することで転職しやすくより好条件で転職できることが、大きなメリットになります。

1-5.サービス提供責任者として働くことができる

5つ目のメリットは「訪問介護事業所等のサービス提供責任者として勤務できる」ことです。

サービス提供責任者は、法令により訪問介護事業所等に配置が義務付けられている職種です。

  • 訪問介護サービス計画の作成
  • 訪問介護員(ホームヘルパー)の勤務シフトの調整
  • ケアマネジャーや訪問看護師との連携
  • サービス担当者会議への出席
  • 利用者や家族からの相談対応

など訪問介護サービスの基幹的な業務が、サービス提供責任者の主な仕事です。

このサービス提供責任者になるためには、法令で定められた要件として『介護福祉士か実務者研修(もしくは旧・ホームヘルパー1級資格)を保有している』があります。

このためサービス提供責任者を目指す人は、まずは実務者研修の取得を目指すことをオススメします。

さらにサービス提供責任者になることで、訪問介護サービス事業所での中心的な役割を担うことができ、役割に応じて給与等の待遇も良くなります。

職種所定内賃金の平均
訪問介護員206,312円 −
サービス提供責任者234,201円+27,889円

月給で勤務している訪問介護員の所定内賃金が206,312円に対し、サービス提供責任者は234,201円と、訪問介護員よりも27,889円も月給が高いことがわかります。

すなわちサービス提供責任者は訪問介護事業所において重要な役割であり、給与も高いのです。

実務者研修を取得するメリットとして、サービス提供責任者になれることを紹介しました。

ここまで実務者研修を取得するメリットを5つ紹介しました。

ここまでで実務者研修が介護士としてのステップアップに重要な資格であることがわかりました。

メリットの大きな資格ですが、実務者研修受講に関する注意点について次の項目で紹介していきます。

2.介護福祉士実務者研修を取得する3つの注意点

前の項目では実務者研修のメリットを紹介しますが、実務者研修を受講する上での注意点も紹介します。

以下の3つの注意点について解説していきます。

2-1.費用がかかる

1つ目の注意点は「費用がかかる」ことです。

下の表は全国展開している大手スクールの実務者研修受講料一覧です。金額は初任者研修をすでに取得している方を対象にした金額を紹介しています。

 全国展開をしているスクールの実務者研修受講料

研修機関・スクール実務者研修(通常価格)
※初任者研修修了者の場合
ニチイ学館176,195円
三幸福祉カレッジ99,700円
ベネッセスタイルケア85,000円
資格の大原(九州・関西以外)87,000円

※いずれも通常価格・税別

開講しているスクールによっても料金は異なりますが、実務者研修取得には10万円近い受講料が必要になります。

この金額は初任者研修修了者を対象にした場合なので、無資格の方が実務者研修を受講する場合はさらに金額は高くなります。

「資格は取得したいけれど10万円近い費用は負担が重い」と実務者研修の資格取得をあきらめる人も少なくありません。

ただ費用負担を軽減するための制度もいくつかあります。

職場に相談する

まずは勤務先の上司や教育担当者等に相談しましょう。職場で実務者研修受講費用を負担してくれる場合があります。または職場が提携しているスクールを紹介してくれる場合もあります。

公的な助成金を活用する

公的な助成金なども活用可能です。教育訓練給付金や実務者研修受講資金貸付制度などの助成金を活用し、自己負担を少なくすることができます。

資格スクールの転職支援制度を活用する

資格スクールで実施している転職支援制度を活用する方法もあります。

転職支援制度とは、資格取得から転職活動までスクール側がサポートをしてくれる制度のことです。

スクール側は実務者研修修了者を転職支援し、転職先の事業所から採用費(年収の20%〜30%)を受け取ることで収益を得ています。実務者研修受講にかかった受講費があなたに還元される仕組みです。

実務者研修のスクールが紹介する事業所・施設へ就職する場合は、実務者研修の受講費用の全額キャッシュバックを受けることもできます。

実務者研修の注意点として費用がかかるというデメリットがありますが

  • 職場に相談して負担軽減する
  • 公的な助成制度を活用する
  • スクールによる転職支援(特待生)制度を利用する

など費用を少なくする方法もあります。

2-2.取得までに時間がかかる

2つ目の注意点は「資格取得まで時間がかかる」ことです。

最短でも実務者研修取得までに以下の日程がかかります。

  • 無資格者の場合:最短6ヶ月
  • 有資格者の場合:最短2ヶ月

現実的には

  • 初任者研修を保有している(有資格者)
  • 働きながら取得する

のような場合、3~4ヶ月で実務者研修を受講するコースを選ぶのが一般的です。

例として毎週火曜日にスクーリングするコースで、3ヶ月で実務者研修取得を目指す方のスケジュールを見てみましょう。

曜日予定
休み/自宅学習
スクーリング
日勤
夜勤
夜勤明け/自宅学習
休み/自宅学習
日勤

このパターンの場合、火曜日はスクーリングのために勤務の予定を入れません。「休みや夜勤明けの日に集中的に自宅学習をする」というスケジュールを組んでいます。

実際には、働き方やライフスタイルに応じて様々な受講コースが選択可能です。

実務者研修の注意点の2つ目として、取得までに時間がかかることを説明しました。

2-3.自宅学習の課題が多い

3つ目の注意点は「自宅学習の課題が多い」ことです。

実務者研修を受講されている方の多くは、現場で働きながら資格取得を目指しています。

介護の仕事をこなし家に帰ったら期限までに課題を提出しなければいけません。肉体的にも精神的にもハードであることは間違いありません。

実務者研修のカリキュラムの総学習目安時間は450時間。初任者研修を修了済みで科目免除がある方でも320時間です。初任者研修の受講時間130時間と比較しても、実務者研修がいかにボリュームの多い学習内容であるかがわかります。

実務者研修のスクーリング日数はスクールによっても異なりますが、初任者研修修了者の場合は6~10日間程度で、残りのカリキュラムは自宅学習(通信)となっています。

自宅学習はテキストやウェブ・DVDなどスクールによって教材・学習方法も異なります。

受講生は指示に従い、期限までに課題を複数回提出しなければいけません。

もちろん「期限までに課題を提出すればクリア」というわけではありません。提出する課題が基準点以下の場合は再提出が求められます。

仕事と資格取得を両立させるためには、毎日コツコツと少ない時間でも学習を積み上げていくことが重要です。

自分の生活スタイルに合った学習教材(テキスト・DVD・ウェブなど)のスクールを選び、学習を習慣づけましょう。

自宅学習の課題が多いことを3つ目の注意点として紹介しました。

下記のように、実務者研修の注意点3つを紹介し解決策を掲載しました。

注意点解決策
費用がかかる・職場に相談
・公的な助成制度を利用
・スクールの転職支援制度を活用
取得までに時間がかかる・計画的なキャリアプランを立てる
・介護福祉士国家試験を受験する人は早めに資格取得を
自宅学習の課題が多い・ライフスタイルに合った教材のスクールを選ぶ
・普段から学習の習慣を作る

実務者研修のメリットと注意点をお伝えしました。

次の項目では、特に実務者研修の取得をオススメしたい人について解説します。

3.実務者研修を取得するのがオススメな人

最後に実務者研修を取得するのがオススメな人を紹介していきます。

実務者研修の取得をオススメしたい人は次の3つのどれかに当てはまる人です。

3-1.介護福祉士になりたい方

介護福祉士の資格を取得するには、実務者研修を取得しなければいけません。

介護福祉士を取得することで給与が上がるだけでなく、ケアマネ受験などその後のキャリアの選択肢も広がります。

3-2.今よりもスキルアップをしたい方

今よりもスキルアップをしたい方は、実務者研修を受講することをオススメします。

なぜなら実務者研修では、医療的ケアをはじめ介護職に必要な様々な専門的スキルを学ぶことができるからです。

すぐに現場に応用できる技術も多く、研修で得た知識や技術により介護職として成長することができます。

3-3.介護職として長く働く意欲のある方

これからも介護の仕事を続けていきたいという方は、実務者研修を取得しましょう。

実務者研修を修了することで

  • 給与が向上する
  • 現場のリーダーとしての役割を担える

など様々なメリットがあるからです。

また業界内で評価の高い資格であるため転職にも有利です。

長く介護職として働くことを考えるのであれば取得をオススメしたい資格です。

4.まとめ

いかがだったでしょうか。

介護福祉士実務者研修を取得する5つのメリットは次の通りでしたね。

反対に実務者研修を取得する注意点は、以下の3つでした。

そして、実務者研修を取得するのがオススメな人は以下のいずれかに当てはまる人でした。

この記事が少しでも参考になれば幸いです。